未知の扉を開くのは、いい大人にとっても意外と勇気がいる。でもできることなら覗いてみたいし行ってもみたい。

そんなアナタに代わってM3!のライターが、扉の向こうの気になる世界をレポートするコーナー。


バウハウス  BAUHAUS ROPPONGI

 

 

こんなに身近で気軽に行けるところに魂を熱く熱く揺さぶる本物のロックがあった!


 

「アマンドってまだあるのかな~」と思いながら久しぶりに訪れた六本木に、趣きはずいぶん変わったけれどアマンドはあった。その横の坂道を下り、左斜めにぐいっと坂を登りきったあたりが今回の目的地。ロックの殿堂・六本木バウハウス。エレベーターで2階に。ハードなロックテイストのエントランスが「よく来たな、思い切って扉を開けてみなよ!」と言っているようだ。

 

 恐る恐るといった感じで扉を開けると、意外(?)にも優しそうなスタッフか出迎えてくれた。

 

 真っ赤なベンチシートに座り店内を見渡す。どこを見てもロック。オープンは1981年というから36年前。年季を感じる、が、けして古臭くはない。膨大な量の音や熱気が染み込んだような空間。「生ビールください」近くにいたロン毛の店員さんに声をかけると、時間を置かずクールな笑顔で運んできてくれた。BGMがボリュームを増しミュージシャンがステージに上がる。ドラムス、ベース、ギターが二人、最後に金髪ソバージュの外人ヴォーカル。

 

 照明がパッと当たりギターがリズムを刻む。と、あれ?このギタリスト、さっきの店員さん⁈ そう、ここのスタッフはミュージシャンが店員も兼ねているのだ。自分の出番じゃない時は注文を取ったりカクテルを作ったりドリンクを運んできたりする。ミュージシャンとの距離が超絶近いライブハウスなのだ。

 

 バウハウスバンドに登録しているミュージシャンは現在17名。1曲毎にヴォーカルがチェンジする。ヴォーカルだけでなくベーシストが変わったりギタリストが交代したりする。その訳は見ていたら分かった。演奏が激しすぎるのだ。続けて何曲も歌えないのだ。そりゃそうだと思う。バウハウスの営業日は月から土曜。そしてナント30分のステージを毎日5ステージこなしているのだ。喉を守らないと、指を大事にしないともたないだろう。

 

 代わるがわる登場するミュージシャン達の素晴らしいパフォーマンス。クオリティの高さ。なんだか体がポッポッと熱くなり、上半身裸になって拳を振り上げたくなってしまった(実際にはとても人前で裸になれるような体ではないので無理なんですが)。「リーマンショックの後でしたけど、外資系で働く外国人のお客さんがどっと押し寄せたんです。もうノリノリで歌って飲んで。発散したかったんでしょうね」とは店長の各務(かがみ)さんの話。

 

 わかります。自分の会社が潰れそうな時に赤ちょうちんで日本酒飲んじゃダメです。そういう時こそロックです。楽しい気分の時はもちろん、辛い時もロックは、熱く、時に静かに語りかけてくれます。「小さなことでくよくよするなよ!」と。

 

(編集部 スズキ)

 

BAUHAUS

港区六本木5-3-4 レーヌビル2F

☎03-3403-0092

www.e-bauhaus.jp

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KIWA  FUTAKOTAMAGAWA

 

 

ホールでもないライブハウスでもないこんな大人の隠れ家を知っていたら自慢できそう♪


 「ニコタマ」と言えば、駅前には玉川高島屋S・C、二子玉川ライズショッピングセンター、そして雑貨好きが泣いて喜ぶセンスのいい店が軒を連ねる買い物天国。かくいう私も雑誌で素敵な作家モノなどを見つけては、ニコタマに通ううちの一人。しかし、この街の魅力はこれだけにあらず。ツウにはお馴染みかもしれないが、じつは落ち着いてゆっくりと音楽を楽しめる場所があるのだ。

 

 今回ご紹介するのは、駅からほんの数分という便利な所にあるライブハウスKIWA。店名は「世田谷の端っこ、神奈川との県境、つまり東京の際(きわ)にある」(HPより)ことに由来する。改札口を出て左に進み、大通りを右に歩いて「つばめグリル」の角を左折。そのまま20~30メートル進んだ右手地下に店はある。

 

 営業時間外の取材だったため、ステージや客席はガランとしていた。それが逆に想像力を掻き立てる。「ここで芝居や朗読劇を演ったらどうだろう」「貸切イベントも楽しそうだな」と次々と妄想が膨らむ。スタッフの津嶋さんによると、舞台に観葉植物をたくさん飾り、森のような演出をしたこともあるという。確かに、音波を思わせる天井の装飾や、本物の石を埋め込んだ壁など、個性的な内装は植物や天然素材と調和しそうだ。

 

 客席がひな壇状というのもライブハウスとしては珍しい。どの席からも確実にステージが見渡せ、客にとっては最高の配置。客席後方の本格的なPAブースにも目を奪われる。それもそのはず、ここKIWAは音響の世界では知らない者はいないという金森祥之さんが代表を務める(有)オアシスにより運営されている。ファンからアーティストに対して「音響のいいKIWAで、ぜひライブをやって欲しい」との要望が出るほど、申し分のない設備が整う。まさに上質な大人の街、二子玉川にふさわしいライブハウスなのだ。

 

 現在のところドリンクメニューのみだが、ビール、ウイスキー、焼酎、カクテル、ソフトドリンク等が豊富に取り揃えられている。買い物後、気分のままに良い音楽を聴き、疲れを癒してから帰宅するのも悪くない。

 

 ニコタマが買い物の街だけでなく「音楽を聴きに行く街」になる日も近いかも…と思わせてくれる魅力的な店がここにある。

(花摘麻理)

 

ライブハウス KIWA

東京都世田谷区玉川3-20-11-B1F

TEL.03-6805-7948

FAX.03-6805-7949

http://oasis-kiwa.com



 下北沢駅北口から徒歩1分という至極便利な場所にあるコムカフェ音倉。入り口に個性的なロボット型の看板や、いかにも美味しそうなオーガニックメニューの写真がふんだんにディスプレイされているので迷わず発見!

 

 

Com.Cafe音倉  SHIMOKITAZAWA

 

 

下北沢で食事&音楽を楽しみたいなら迷わずここへ心と体そして五感まで満たされるオーガニック・カフェ


 地下へ続く階段も、店内の世界観とリンクしたナチュラルテイストで期待が高まる。店に足を踏み入れた途端、外の喧騒とは明らかに違う空気に驚いた。スタッフが楽しそうに働いているカウンターは沖縄を思わせるリゾート風で、正面の壁一面には本物の植物がハンギングされている。各テーブルにはセンスのいい生花が飾られ、細やかな心遣いが嬉しい。テーブルや椅子がバラバラなのも「誰でもウェルカムですよ」というメッセージに思えてホッとする。 

 

 このカフェはシンガーソングライターの庄野真代さんが代表をつとめるNPO法人「国境なき楽団」が運営。かつて庄野さんが大学院で学んでいた頃、海外の多くのNPO団体がビジネスにより自分たちで利益を生んでいることを知り、そのモデルを目指したそう。

「人に安らぎとエネルギーを与えられるのは食と音楽」との考えから、食事とライブ中心の店をオープン。イギリス留学時代に触れた本場のオーガニック精神に影響を受け、料理は体に優しいものに決めたそう。「地球に良いことは、自分たちや地域にとっても良いこと」と庄野さんは話してくれた。食事メニューは妥協のない本格派。今年5月以降さらに専門性を高めるため、スタッフに栄養士やオーガニックソムリエを迎えメニューを一新。リニューアル後は驚くほど外国人のお客様が増えたという。彼らは旅行中でも普段のライフスタイルを守るし、食事と一緒にコールドプレスジュースを注文する人も多く、色々と学ばされるそう。「日本ではまだオーガニックは特別な人のものというイメージでしょう。いずれは、中華にする?

 

 イタリアンにする? それともオーガニック? と普通に選べるようになるといいですよね。」と庄野さん。

 

 ライブスペースでは、昼も夜もジャンルを問わず様々なイベント

が催されている。特にユニークなのは毎月開催される「オープンマイク」。15分の持ち時間を自由に使え、音楽以外に朗読やお笑いもOKというから楽しくないはずがない! 参加者も若者からお年寄りまでじつに幅広い。ロンドンではオープンマイクの歴史が長く、主張のある人たちが日々公園の片隅で演説したりするらしい。これも留学中に庄野さんが「いいな」と思って形にしたもののひとつ。コムカフェ音倉には、彼女の「いいな!」があちこちに散りばめられている。「すごい行動力と実行力ですね」と言うと、「そんなことないの。私は成り行きで生きてるだけ。ご無沙汰している友人に、おひさしぶりです〜って連絡したら、一緒に何かやることになったり。みんなに助けられているの。」

 

 毎日の生活に何か新しい風を吹かせたくなったら、次の休日、コムカフェ音倉にふらりと行ってみよう。    

(花摘麻理)

 

Com.Cafe 音倉

世田谷区北沢2-26-23 EL NIU B1F

☎03-6751-1311

http://www.otokura.jp

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 池袋 Absolute Blue  IKEBUKUROI NISHIGUCHI

 

 

こだわり抜いた店づくりとブッキングいつ訪れても良質な音楽と出逢える店


 池袋駅西口、東京芸術劇場からほど近いビルの地下に店はある。あまりに駅チカで通り過ぎてしまいそうだ。開店前の店内に足を踏み入れた途端、「あれ? ここは私がずっと探し求めていた場所かも」と不思議な感覚に。初めてのはずなのに「おかえり」と言われたような…。

 

 オーナーの星川さんが後で話してくれたのだが、30〜40代の女性が一人でも入りやすいようにと、こだわり抜いたインテリアや椅子の配置のせいかもしれない。完全禁煙で、ライブハウス特有の染み付いたタバコ臭が一切ない。壁には店のために撮り下ろされたNYの街並みの風景。池袋にいることを忘れてしまいそうだ。

 

 この日は月に一度開催されるベース・レッスンの日。講師はなんと、トップベーシスト、日野’JINO’賢二氏! しかも各回5名限定の超少人数制で、時間はたっぷり1時間〜1時間半。その上レッスン料が3,000〜3,500円というから驚きだ。「生徒さんが無理なく続けられる金額にしたかった」と星川さん。

 

 程なく到着した日野さんは、私の顔を見るなり「よろしく!」と弾けるようなスマイルで手を差し出してくれた。日野さんに会うまでは、あまりのビッグネームに緊張しまくっていた私だが、レッスンもさぞや厳しげなムードに違いない…という想像も完全に間違っていた。次々と現れる生徒さんは一様にリラックスした表情で、学生らしき女の子は、「テスト前なのに大丈夫?」と星川さんに声をかけられ笑っていた。

 

 レッスン中も、日野さんは終始満面の笑顔。一人一人のやりたい曲や、つまずいている箇所など、丁寧に目を合わせながら聞いてくれる。言ってみれば相談型のレッスンだ。目の前で弾いて見せてくれたり、一緒に音を合わせたり。「リラックスして、呼吸して〜。Yah!! Very nice!」と、英語を交えながら励ましてくれる。

友達同士でビール片手にセッションしているみたいな雰囲気だなと思った。こんなに楽しくて質の高いレッスンを低価格で受けられるなんて、お得すぎる!

 

「真剣に音楽に取り組む姿勢がある人なら、誰でもウェルカムだし、これからも続けていきたいな」と日野さんは話してくれた。

 

 この店を2年前にオープンした星川さん、もともと「ポップスしか知らなかった」どころか「ジャズクラブというものの存在すら知らなかった」という。十数年前、あることがきっかけでこの世界に入り、ニューヨークでもゼロから店をオープンさせている。その店は全米音楽誌『DOWN BEAT』に掲載された上に、NYのジャズクラブTOP20にランクインまで果たしたというから、質の高さは相当なレベルだったのだろう。一流理系大学出身で、畑の違う世界で生きていたところからのこの経歴。その多才さとエネルギーには圧倒されてしまう。星川さんの豊かな経験や想いが凝縮され、このABSOLUTE BLUEは誕生している。

 

「出演者目線で、演りたくなるハコでありたい」「ミュージシャンをリスペクトできるスタッフしか雇わない」「最高の音響の中、お客さんがゆっくり座れて、視界を遮る柱もなく、広々として、でもミュージシャンとの距離が近くて…」「お酒はNYで流行中の銘柄を揃え、食べ物も自分が美味しいと思うものだけを」情熱とこだわりはここで紹介しきれないが、彼女の想いはすべてこの店に詰まっている。

 

「おかえり」と言われた気がしたのは、インテリアのせいだけじゃない。星川さんの醸し出す雰囲気が大きかったのだろう。また行きたい店はいくつもあるけれど、「あのオーナーに会いたい」と思う店はそれほど多くはない。

 

 ABSOLUTE BLUEは、私にとってそんな店のひとつになりそうだ。

(花摘麻理)

 

Absolute Blue

豊島区西池袋1-15-6 豊島会館B2F

☎03-5904-8576

http://absol.blue

ライブスケジュール、日野さんのベース教室情報はこちらから

■Facebook

https://www.facebook.com/absol.blue/



Paradise Cafe  YOKOHAMA/KANNAI

 

 

上質な音楽も美味い食事もゆっくり楽しみたいそんな音楽ファンならきっと気に入る店


 桜もいよいよ終わりに近く、緑の葉がちらほら垣間見える4月某日。横浜にあるパラダイスカフェにフラリと立ち寄ってみた。バス・電車なら「馬車道駅」か「桜木町駅」が便利。筆者は桜木町駅から徒歩3分ほどで到着。お店は地下だが、地上の分かりやすい場所で電光看板と本日の出演アーティストを知らせるボードが出迎えてくれる。地下へ続く階段が暖かみのあるライトで照らされているせいか、初めてでも、おひとり様でも、安心して入れるウェルカムな雰囲気。

 

 ドアを開けると、フレンドリーな女性スタッフが優しく声をかけてくれた。店内にはゆったりとした空気が漂う。おそらく座席配置のせいだろう。ライブハウスといえば席がぎゅうぎゅうでテーブルも小さく、居心地が悪いイメージだったが、足を踏み入れた瞬間にテンションUP。通された席も贅沢すぎるくらい広々として、座り心地のいいソファだった。常連らしき男性は、どっしりと本格的なバーカウンターで旨そうに酒を飲んでいる。少し離れた席では、大人のカップルが仲良く食事中。(席の配置はライブにより変化。70名入ることも)

 

 とりあえず飲み物をオーダーしよう。渡されたメニューを見てビックリ。料理へのこだわりがビシバシ伝わってくるではないか。ハートランド生を頼み、ゆっくりとメニューを眺める。うーむ。どれも魅力的すぎて選ぶのが大変。決死の覚悟で数品をチョイス。自家製ピクルスも気になり注文。料理はどれも期待以上の絶品で、音楽を聴きに来たはずが、つい食事に夢中になってしまうほどだった。あとでスタッフに聞いたところ、オーナーが大分出身ということで、特産品の柚子胡椒を使ったパスタを考案するなど、メニュー開発からこだわりが。どれも私が想像していた「ライブハウスのおつまみ」レベルではない。しかもデザートまで一切の手抜きナシなのが驚きだ。ぜひお腹を空かせて行き食事も堪能して欲しい。

 

 この日のライブはフルート中心のバンドによるラテンジャズ。途中ボーカルも入り、なんともスタイリッシュで心地の良い演奏だった。この店の魅力は、ジャンルに捉われないブッキング。訪れるたびに全く違う雰囲気を楽しめそう。自身もミュージシャンである、オーナーの滝ともはる氏も定期的に出演し、バラエティに富んだアーティストたちとコラボしている。「このお店ほど出演者に優しい店はない」とはボーカリストさんの声。なんでも控え室、リハ、本番、それぞれでドリンクを用意してくれるらしい。しかも好きなものを選び放題との噂も? そういえば、演奏しているミュージシャンたちの楽しそうなことといったらなかった。店との信頼関係がステージにちゃんと現れている。

 

 あっという間に2時間が過ぎ外に出ると、空気はほんわりと暖かく、仕事で疲れ気味だった心がふっと軽くなっていた。ここはその名の通りパラダイスなのかもしれない。心もお腹も丸ごと癒してくれる大人の隠れ家だ。次はどのライブに来ようか…と、すでに再訪を考えている自分がいた。

(花摘麻理)

 

Paradise Cafe

横浜市中区住吉町6-72シャンローゼ関内B1

お電話orネットよりライブ予約可能

☎045-228-1668

http://www.paradisecafe2001.com